Un albero ciliegio fiorisce -サクラサク-

此処は、トミーウォーカーが運営するシルバーレイン、エンドブレイカー、サイキックハーツに登録されているキャラのなりきりブログです。 シルバーレイン、エンドブレイカー、サイキックハーツを知らない方はお引き返しください。また、電波文・アンオフィ設定が多いかと思われます。

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かけがえのないモノ その3

蒼葉視点で話進んでいきます。

アンオフィその他もろもろ嫌いな方はバックプリーズ。








バシャァァァ…

「…………」

「おはよう、兄さん。目、覚めた?」

「真白~…ごふっ。た、確かに目覚めたけどさ…いきなり顔に水掛けるのやめない?げほっ」

「揺すっても起きない兄さんが悪い」

コップの水だし、そんな大した量ないけど。
ってか、いつの間にかソファーではなくフローリングで寝ていたようだ。
うん、これなら床拭くだけだし他に被害ねーな…俺以外←ぉぃ

「…ゆーちゃんなら、いつも上手に起こしてたけど、私には無理だし」

「……………なぁ、真白」

「何?兄さん」

洗面所にタオル取りに行って、戻ってきて。ちょっと真白に聞いてみる。

「……ゆーちゃんと、つーくんが居てさ」

「……?」

「さーちゃんも…昔みたいにもっと明るい子で」

「……」

「俺と真白が居て。5人でここに暮らしてたら……お前はどう思う?」

さっき見てた夢。もし真白ならどう思うかな、なんて思って。

「…そうね。少なくとも、誰も悲しい思いをしていないから…幸せだと思う。
 ゆーちゃんがいて、つーちゃんがいて、さーちゃんがいて…皆笑っていて」

「………うん」

「……夢に見たって、もうそれは叶わないってわかってる。
 でも……考えた事なら何度もあるわ」

「……うん」

後ろからだけど、俺はそっと真白を抱きしめた。
肩が震えてるから、泣いてる。
泣くの我慢してるの、俺にはばればれだよ、真白。

「ゆーちゃんも死んで、つーちゃんも死んで。さーちゃん…あんな目にあってて。
 とっても悲しいわよ……一気に、大切なものが奪われて。
 でも、私たちは、ゆーちゃんとつーちゃんの事覚えてる。
 私たちよりもっと悲しいのは、さーちゃんなの…!」

「……うん」

「ゆーちゃんの事だって。つーちゃんの事だって。お父さんの事もお母さんの事も覚えてなくて。
 大切な思い出は何も残ってなくて!全部奪われたのは、さーちゃんなの!
 私たちなんかよりももっと!もっとたくさん奪われた!
 でも、さーちゃんは一切弱音吐かない。どんなに寂しくても、寂しいって言わない!」

「…だなぁ…さーちゃん、ゆーちゃんやつーくんの事…一切聞いてこないしな…」

「…怖いのよ、さーちゃん。知ることが、怖いんだと思う」

「………怖い?」

「覚えてないから。地下に幽閉されてた時、あのババァに何言われてたか、兄さんは知ってるでしょう?」

「…………そりゃ、怖い、か…」

“お前が生まれてきたから、お前の家族は死んだんだよ!”

“お前が悪い子だったのに、お前が死ねば良かったんだよ!”

何も罪のない子に、罪を被せるような事を言い続けて。
心の奥底に恐怖の種を植え付けて。
深く深く植え付けられた種は、簡単に取り除けない。

きっと、さーちゃんは自分が悪い子だったって思い込んでる。
家族の事は聞きたいと思っている筈だ。
でも、きっと植え付けられたものが邪魔して、聞けないんだ。
俺だってそうだ…きっと、知りたくても聞けない。

心の中にわずかでも信じていたら…聞けない。
万一、裏切られる言葉を聞いてしまったら……それこそ、立ち直れない。


覚えてないけど、怖かったけど。
やっぱり色々報告したいからって、時々お墓に行って話してるさーちゃんだ。
行ってきたの?って聞くと、どんな事話して来たのかって、俺にも詳しく話してくれるし。
その話聞いてる時のさーちゃんって、すっげー楽しそうに、嬉しそうに喋るんだ。

けど、きまって最後にこういうんだ。
「…皆、喜んで聞いてくれてるかな」って。

すっげー悲しそうに笑いながら、喜んでくれるよねって、言ってるけど。
きっといろんな感情がぐるぐる渦巻いてるんだろうな。

俺たちは、昔のさーちゃんを知ってるから言い切れるけど…
知らないさーちゃんなら、怖がってしまうのは仕方ない。


「……兄さん」

「ん?どうした?」

「………いつか、さーちゃんに話せるかな」

「……話せるさ。それがいつかはわからないけど…きっと、な」

さーちゃんが、自分で知ることを望んだら。
その時は、ちゃんと教えてあげよう。
俺たちが持ってる古いアルバムと一緒に。
どんな事があったのかとか、たくさん…



室内なのに、優しい風が吹いた気がした。

―蒼葉君。

風が吹いたと同時にゆーちゃんの声も聞こえた気がした。

―桜の事、お願いね。

「……もちろん、任された」

「何が任されたなの?兄さん」

「さぁな、なんだろうな?」

聞こえたかもなのに、任されただなんて返事して。
真白の答えに曖昧に返事して笑い、瞳を閉じれば。
酷く鮮明に、小さい頃の俺たちが映った。


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| SS | 2011-05-03 | comments:0 | TOP↑

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